さつえいだ!チャーリー!

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2007年 11月 29日

ジゼル

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シャーリーは仕事が終わった後、音楽ホールにでかけた。
この町では、バレエの開演も音楽会と一緒、夜の8時から。
ジゼルというバレエを観た。

結婚を前に死んでしまった娘たちが森の妖精になって、
夜中に迷い込んでしまった人々を死ぬまで踊らせる、というお話がもとになっている。

婚礼の前に亡くなるなんて、本当に悲しいお話だ。
シャーリーは、この物語が好きではないのだ。
それなのに、ジゼルの公演があると、いつも出かけてしまう。
色々なバレエを観てきたけれど、ジゼルの第2幕は格別だ。
美しいウィリー(妖精)たちに囲まれて踊る、ジゼルとミルタ(妖精の女王)は、
本当に本当に美しくて、いつもひきこまれてしまう。
非業の死をとげるのは嫌だけれど、でもあんなに美しい姿で踊れるなら、、、


なら、なに?
シャーリーは、こわい思いをしながら、いつもジゼルを観ている。
そして、うっとりと満ち足りた気持ちになる。
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by flower_tea | 2007-11-29 21:38
2007年 11月 22日

夜のチョコレート

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幼い頃、シャーリーはチョコレートを食べさせてもらえなかった。
「からだに毒ですよ」
シャーリーのお母さんは、やさしく言うと、
いつもミルクがたっぷり入ったココアを作ってくれた。
だから寒い季節になると、あたたかいミルクココアのことをシャーリーは思い出す。

そして、シャーリーが勉強で忙しい年齢になった頃。
夜遅い時間に大きな辞書をめくっていると、お母さんが部屋にきて、
「ごくろうさま。口をおあけなさい」
と言って、小さな塊をほおばらせてくれた。
「おいしいでしょ?」
「ええ、とっても」
「頭が疲れた時に、とてもいいのよ、チョコレートは」
「夜にたべてもいいの?」
「必要な時にはね」

夜ねむるまえに、小さなひとかたまりのチョコレートを。
毎晩ではないけれど、たまに。
「必要な時にはね」
母親の口まねをしながら、シャーリーは口にいれる。
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by flower_tea | 2007-11-22 00:42
2007年 11月 13日

イギリスのお茶

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シャーリーは朝起きると、カーテンの外を見る習慣がある。
一日が、雨で始まるのか、晴れで始まるのか、とても気になるから。
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先日、イギリス旅行に行っていたお友達から、お茶をお土産にもらった。
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「ロイヤルアルバートホールでね、ボレロを聴いたのよ。」
お友達の目はきらきらと輝いていた。
「翌朝、ハイドパーク近くの、そうあそこのカフェで朝ご飯を食べていたの。
 そしたら隣のテーブルに、昨日のオケのフルートの人がいたの、
 びっくりして、聞き耳をたててしまったわ。
 バイオリンの、あのやせているコンマスがオーバーアクションな理由!
 信じられる?なぜかって、、」
シャーリーはお友達の話を聞いて、くすくすと笑いながら、
ケンジントンの坂道を思い出していた。
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お気に入りのお茶は、アッサムだ。
絵画収集に夢中で破産した男爵が愛したブレンドのものを。
それは少し苦みがあるものだけど、その男爵の情熱が伝わってくる気がする。
仕事に出かける前の朝、シャーリーはよく飲んでいる。
お友達からもらったカフェインフリーのお茶は、とてもやさしい味がした。
香りを深く吸い込むと、モーツアルト・41番の最初の音が聞こえた。
アルバートホールの椅子のきしむ音と。
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by flower_tea | 2007-11-13 22:57